あなたが朝起きて一番初めに気にすることは何ですか?いろいろあると思いますが、多くの人は「天気」を気にするのではないでしょうか。「洗濯物溜まっちゃったけど、今日は外に干せるかな?」「今日は折り畳み持って行った方がいいかな?」「昨日降ってた雨は止んだかな?」などなど。

天気には「晴れ」「曇」「雨」などいろいろありますが、その判断基準を紹介します。


第1章 今日の天気はどんなかな?


「快晴」と「晴れ」の違いって何だと思いますか?「全部青空だったら快晴で、雲があったら晴れ」と思っている人が多いのではないでしょうか。日常生活の中ではそれで構いませんが、気象学の世界では違います。雲があっても、空全体の1割以下の狭い範囲を占めているだけなら「快晴」なんです。

では、「晴れ」と「曇」の違いって何でしょう?

「空の半分ぐらいが雲で覆われてたら曇じゃない?」
「違うよ、少しでも青空が見えてたら『晴れ』で、全部覆われてるときだけ『曇』だよ。」
小学生のとき、このような論議をした記憶がありますが、気象学的にはどちらも間違いです。実は、青空が覗いていても「曇」という場合があるんです。(服部)


雲量(うんりょう)
全天に対する、雲が占める割合。10段階で表し、雲量0〜1なら快晴(かいせい)、2〜8なら晴れ(はれ)、9〜10なら曇(くもり)とする。


雲量0:快晴(2006年10月、琉球大学)

雲量5:晴れ(2006年11月、沖縄県本部町)

雲量9:曇(2006年11月、琉球大学)


春日井に住んでいたころ、日によって山の見え方が違うことを知りました。橋の上を通るたびに、「見てごらん、今日は空気が澄んでて緑が鮮やかに見えるよ」「今日は青っぽく霞んでるなあ」「今日は雨で白く煙っちゃってるね」など会話していました。(服部)


視程(してい)
水平距離で、どこまで見通せるかを測る。空気の透明度のようなもの。
細かい水滴が浮いていて、視程が1km未満の場合を霧(きり)、1km以上の場合を靄(もや)という。
細かい塵が浮いていて、視界が悪い場合を煙霧(えんむ)という。黄砂(こうさ)に覆われたりしたときに発生する。
塵や砂が風で吹き上げられ、視界が悪い場合を砂塵嵐(さじんあらし)という。
積もった雪が風で吹き上げられ、視界が悪い場合を地吹雪(じふぶき)という。極地で起こる、暴風を伴うものはブリザード(blizzard)と呼ばれる。


視程100km以上(2007年3月、名古屋市)

視程100m:霧(2007年4月、琉球大学)


「なんで空から水が落ちてくるんだろう?」
子供の頃、このような疑問を抱いていた人も多いのではないでしょうか。大人になった今では簡単に説明できますが、まだ何も知らなかった頃は不思議に思ったものです。「ナイチ(本土)では氷がヒラヒラ降るんだよ」と教えられたときにはびっくりしました。親に「見てみたい〜」とせがみ、困らせた記憶があります(笑)。(又吉)


降水(こうすい)
空から水や氷が落ちてくる現象。
水が降ってくる現象を雨(あめ)と呼び、細かい霧状の水滴が降るものを霧雨(きりさめ)、一時的に降るものを俄か雨(にわかあめ)という。
水と氷が混合したものが降ってくる現象を霙(みぞれ)という。
小さな結晶の氷が降ってくる現象を雪(ゆき)と呼び、そのうち一時的に降るものを俄か雪(にわかゆき)という。
2〜5mmの氷が降ってくる現象を霰(あられ)と呼び、乳白色のもろいものを雪霰(ゆきあられ)、半透明のかたいものを氷霰(こおりあられ)という。
5mm以上の氷が降ってくる現象を雹(ひょう)と呼ぶ。


雨(2006年12月、琉球大学)

俄か雨(2006年7月、琉球大学)


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